IMOPとは
「森林ですごす時間」が、心身の健康に良影響を与えることは科学的に証明されています。大自然のなかに身を置くと、気持ちが落ち着く。楽に息ができる。実際にそう感じた経験を持つかたは、数多くいらっしゃるのではないでしょうか?
ヒトが「都市システム」を発明したのは、人類史から見ればつい最近のことです。それまでの人類は、大自然に寄り添った生業を立て、暮らしていました。人類の心身は、生命の長い歴史のなかで、自然とともにあることを前提にデザインされてきたのです。ですから、自然のなかで心身がリフレッシュするのは当然のこととも言えます。むしろ、「都市」のなかに生活するということは、その利便性と引き換えに「生物ヒト」としての心身に、無理を課してもいると言えるのではないでしょうか。(もちろん、生育環境や感受性によって、受け取る感覚に個人差はあるでしょう)
「マインドフルネス瞑想」もまた、心身の健康に良影響を与えることが科学的に証明されているメソッドです。多くの問題を抱えているとしても、わたしたちが暮らす現代社会から、今すぐ「都市システム」を引き離すことはできません。「都市システム」に、人々のウェルビーイングを向上させる諸々の利便性が含まれていることも確かだからです。それならば、大自然から離れて暮らす方々や、多忙に生活する人々にこそ、時に「効率的に、自然回帰できる術」を持っていただくことが、今後ますます大切な視点になるのではないかと考えています。
本プログラムは、東北大学の瀧靖之教授の学術指導・監修のもと、心体にアプローチするマインドフルネス瞑想の手法、日本古来の伝統である修験道の行法、森や里山での体験を組み合わせた基本プログラムをベースに、天候・季節に合わせて体験コンテンツを着脱・構成することができる、ウェルビーイング向上・心身養生のためのオリジナルプログラムです。
自身の心身を整えたいとお考えの個人のかたはもちろんのこと、「心通う関係性を育みたい」とお考えのかた、ご自身の子どもたち、チームや組織に、より「自身の心身を整える術」「関係者をリラックスさせる術」を学んでほしいかた、企業のマネジメント層などに「メンタルヘルスケアの手法」身につけてもらいたいとお考えになるみなさまにおすすめのプログラムです。
マインドフルネス瞑想とは
マインドフルとは、「今この瞬間の自分の体験に注意を向け、評価せずあるがまま受け入れることで現れる意識」を指す言葉で、マインドフルネス瞑想は、1970年代に医学博士であるジョン・カバット・ジン氏によって米国から広まり、今日ではグローバルな先進企業のほか、各国政府機関の研修でも取り入れられています。
カバット・ジン氏は、学生時代から禅など東洋の瞑想法を試すことにより、自身の心身への良影響を実感。その後、マサチューセッツ医科大学において、瞑想が心身へもたらす効果について数多く研究、高血圧、糖尿病、不安、うつ、食欲異常亢進、睡眠障害などに有効であることを科学的に証明しています。
いま各地で実践されているマインドフルネス瞑想の手法は、カバット・ジン氏によって禅の瞑想などから宗教色を排除しつつ科学的な視点を取り入れ提唱された「メソッド」がベースになっており、ストレスレベルの低減だけでなく、「集中力が高まる」「精神的にも肉体的にも緊張が緩和される」「洞察力、直観力、創造力、共感力が高まる」との報告も各所からあげられ、精神医学や心理学、脳科学など数多くの研究者が着目し、脳と心の研究のなかでも注目されています。
(日本でもTV番組や雑誌で、多くの特集が組まれています)
数多くある、マインドフルネス瞑想の手法。一部をご紹介します。
座して行うものだけでなく、行為とともに行うものも多数あります。
◆ マインドフル イーティング 〜 時間をかけて、無言で、集中して食事をする方法一粒のレーズンを5分ほどかけてじっくり味わう、レーズン・エクササイズも有名
◆ ジャーナリング 〜 頭の中に浮かんだことをひたすら書き出していく方法
◆ その他、ボディワークを組み合わせたもの 〜 身体感覚に集中する方法
修験とは
古から日本に伝わる自然信仰(特にアミニズムや山岳信仰)をベースに、仏教・道教・儒教などの外来宗教、神道や陰陽道、民間信仰などまでが取り入れられ、次第に形成されていった日本古来の信仰のかたち。
山伏は、山中で心身を鍛え整える修験の行者を指し、その多くは、里に暮らす市井の人々だったと言われています。
明治維新前、国内に存在した山伏は 17万人とも。
当時の日本の人口は、約3500万人。男性のみで計算するならば、100人にひとりが山伏であり、現代の僧侶や神官よりも比率が高いと言えます。
しかし、明治維新の折、国教を統一すべく神仏習合の「修験」は禁じられ、飯山市をも含む、各地の山伏は消滅してしまいました(約150年前)。
各地を巡礼しつつ、医療、情報、物資流通などの一端を担っていた山伏たちは、その後、医薬品関連企業、鉱物商社、運輸企業などを立ち上げたと言われています。
現代に残された修験は、流派として仏教・神道・独自路線などがありますが、その手法(山駆け、滝行、瞑想、火渡りなど)を見れば、作法を学び鍛錬を繰り返すことで各人の視点を獲得していこうとする行為が核にあります。その意では、華道・茶道・書道・武道などと同カテゴリーに位置づけることが出来、心身を鍛え整えるための「道」のひとつであるとも言えます。
日本の祭事や文化などに山伏や修験をルーツとするものは数多く、現在、各地で修験の復活が試みられています。
(国の重要無形文化財に指定された飯山市小菅「柱松柱松柴燈神事」も、奈良時代から続く修験行事。飯山市小菅では、弊社メンバーが中心となり山伏復活の活動も行なっています)